6月といえば、梅雨の訪れや初夏の始まりを感じる季節です。
手紙を書く機会がある方にとって、季節感を取り入れた書き出しは、相手との距離を縮める大切なポイントになります。
この記事では、ビジネス・カジュアルのシーンに合わせた6月の手紙の書き出し文例を20個ご紹介します。その前に、手紙を書く上での基本やマナーもあわせて確認していきましょう。
手紙を書く意味と重要性
スマホやパソコンが当たり前の今でも、手紙には「特別な想いを届けられる力」があります。自分の手で書いた文字に、気持ちがそのまま込められるからです。LINEやメールも便利ですが、手紙にはそれとは違ったあたたかさがあります。
特に6月のような、季節が少しずつ変わっていく時期には「最近どうしてる?」「元気にしてる?」という気持ちを、言葉にして届けてみるのも素敵です。日々のご挨拶や節目のご連絡に、ちょっとした手紙を添えるだけで、ぐっと親しみが伝わります。
書き方の基本とマナー
手紙を書くときは、ざっくり3つのパートに分けて考えるとスムーズです。
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前文:季節の挨拶や、相手の体調を気づかう一言
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主文:伝えたいことやお知らせしたい内容
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末文:結びのあいさつや、お互いの無事を願う言葉
また、便せんや封筒も選び方で印象が変わります。ビジネスならシンプルな白無地を、カジュアルなら季節柄やちょっとした模様入りもおすすめです。字がきれいでなくても大丈夫。丁寧に書こうという気持ちが、きっと相手に伝わります。
頭語と結語の使い方
ビジネスレターやフォーマルな手紙では、「頭語(とうご)」と「結語(けつご)」を使うのが正式なマナーです。以下のような組み合わせが一般的です。
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拝啓 → 敬具(もっとも広く使われる形式)
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謹啓 → 謹白(より丁寧な表現)
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前略 → 草々(急ぎの用件など、前文を略すとき)
季節の手紙であっても、ビジネスであれば「拝啓」で始まり「敬具」で結ぶのが無難です。カジュアルな手紙では必ずしも必要ではありませんが、相手との関係性や場面に応じて使い分けましょう。
6月らしさを表すキーワードとは?
6月の手紙では、季節を感じさせるキーワードを盛り込むのがポイントです。以下のような言葉を意識すると、文章がぐっと自然で印象的になります。
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梅雨・雨模様・長雨
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紫陽花(あじさい)
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衣替え
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夏至
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父の日
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初夏・夏の気配
これらを文中にさりげなく入れるだけで、読み手に季節の空気感を届けることができます。
次の見出しからは、実際の書き出し文例をご紹介していきます。
【ビジネス向け】6月の丁寧な書き出し文例10選
ビジネスシーンでは、丁寧で信頼感のある表現が求められます。
以下の例文は、お礼状・案内状・季節のご挨拶などに使えるフォーマルな表現を集めました。
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梅雨の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
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紫陽花の花が美しく咲き誇る季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
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向暑の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと拝察いたします。
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雨に濡れる紫陽花のように、潤いのある日々をお過ごしのことと存じます。
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長雨が続く中、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
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衣替えの時節となり、季節の移り変わりを感じるこの頃でございます。
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梅雨寒の折、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。
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初夏の陽気が感じられるようになってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
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日ごとに蒸し暑さが増してまいりました。お身体には十分ご留意ください。
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夏至を迎え、陽の長さに季節の進みを感じる頃となりました。
どの文も、書き出しのあとに本題を続けることで、自然な流れが作れます。書類やご挨拶状の冒頭にぜひご活用ください。
【カジュアル向け】親しい人への6月の手紙文例10選
親しい友人や家族、ちょっとしたお礼状などには、気取らず自然体で書けるカジュアルな書き出しがおすすめです。
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雨が続く毎日ですね。お元気にお過ごしですか?
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紫陽花がきれいに色づきはじめ、梅雨らしい風景になってきました。
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雨音を聞きながら、ふとあなたのことを思い出して手紙を書いています。
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最近は、ちょっとした晴れ間がご褒美のように感じますね。
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湿気の多い毎日ですが、なんとか元気にやっています。
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窓の外の雨を眺めながら、のんびり過ごしています。そちらはいかがですか?
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衣替えをしたばかりで、クローゼットの中が夏仕様になりました。
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そろそろ父の日ですね。今年はどんな贈り物にしようか考え中です。
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雨の日が多くて気分も下がりがちですが、美味しいものを食べて乗り切っています。
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湿気と戦いながらも、毎日なんとか過ごしています。あなたも無理しないでね。
カジュアルな手紙では、自分の生活の様子を少し織り交ぜると、よりあたたかみのある文章になります。
シーン別に選べる!文例の使い分けポイント
同じ6月のキーワードを使っても、相手との関係性や目的によって表現を調整する必要があります。
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ビジネス相手や目上の方には: 漢語調(○○の候、○○の折など)を使い、敬語で丁寧に。
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親しい相手には: 日常会話のように、柔らかい言葉を選びましょう。
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年配の方へ: 季節や体調を気遣う文を多めに。
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若い世代には: SNS感覚の軽やかな書き出しもアリ。
文例そのものを丸ごと使うのではなく、自分の言葉に置き換えてみるのもおすすめです。
季節感をもっと出すなら!6月の小ネタも活用しよう
より印象に残る手紙にするためには、6月ならではの出来事や話題を少し盛り込むのも効果的です。たとえば…
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「梅シロップを仕込みました。じっくりと熟成されるのを待つのが楽しみです」
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「あじさい祭りに出かけたところ、満開の花に癒されました」
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「部屋に除湿器を導入しました。雨の日が快適になってきました」
こういった小さな話題は、手紙に彩りを添えるだけでなく、共通の話題として広がりも生まれます。季節の暮らしを少し添えることで、文章がぐっと生き生きとしてきます。
手紙の締めくくりにふさわしい表現
書き出しが決まったら、最後は心を込めて締めくくりましょう。締めの言葉には、相手への思いやりや、またの連絡を願う気持ちを込めると、より好印象を与えることができます。
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お身体にお気をつけて、どうぞご自愛ください。
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梅雨の時期、くれぐれもお風邪など召されませんように。
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またお会いできる日を楽しみにしております。
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雨の日が続きますが、心晴れやかにお過ごしください。
ビジネスでは「今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」といった決まり文句もよく使われますが、そこに少し季節感を加えると、温かみのある手紙になります。
挨拶状としての結び文の選び方
6月は異動・昇進・季節のご挨拶などで挨拶状を送る機会もあります。そんなときに適した結び文をいくつかご紹介します。
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梅雨明けの折には、ぜひお目にかかれることを楽しみにしております。
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初夏のみぎり、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
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蒸し暑い日々が続きますが、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
挨拶状は「形式の中に個性をどう出すか」がカギになります。堅くなりすぎず、誠実な気持ちが伝わるように意識しましょう。
メールでの活用も可能!書き出しや締めくくりに気遣いを
今回ご紹介した6月の手紙の書き出しやマナーは、そのままビジネスメールやカジュアルメールにも応用できます。紙の手紙ほど堅くならなくても、メールの中に季節感や相手を思いやる言葉を一言添えるだけで、印象がぐっと良くなります。
たとえばビジネスメールなら:
【例:ビジネスメールの冒頭】
梅雨の候、皆さまにはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
【例:ビジネスメールの結び】
蒸し暑い日が続きますので、何卒ご自愛くださいませ。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
カジュアルなメールでは、以下のようにややくだけた表現でも好印象です:
【例:カジュアルメールの冒頭】
雨の日が続いていますが、元気に過ごしていますか?
紫陽花の花を見るたびに、そちらのことを思い出しています。
【例:カジュアルメールの結び】
梅雨が明けたら、ぜひまた会いましょうね。
湿気に負けず、体調には気をつけてね!
手紙もメールも、心を届けるツールです
現代はメールやSNSでのやりとりが主流ですが、文章に思いやりや季節感を込めることで、丁寧さと気遣いが伝わります。形式にこだわりすぎず、相手の立場や関係性に合わせてアレンジするのが大切です。
手紙とメール、それぞれの良さを活かして、6月のご挨拶や連絡に役立ててみてください。
まとめ:6月の手紙は心を伝えるチャンス
6月は湿気の多い季節で、気分も沈みがちになりやすい時期です。だからこそ、ちょっとした手紙や一言メッセージが、相手の心をパッと明るくする力を持っています。
今回ご紹介した書き出し文例やマナーをもとに、季節感やあなたの気持ちがしっかり伝わる手紙をぜひ書いてみてください。手紙を書く時間が、あなた自身の心を整える時間にもなるはずです。