お片付けは「できる」より「育てる」もの
「うちの子、どうして片付けてくれないの?」
「せっかくきれいにしたのに、すぐ散らかってしまう…」
そんなお悩み、子育て中のご家庭ではとてもよくあることですよね。
でも、子どもにとって“お片付け”はまだまだ学びの途中。いきなり大人と同じように片付けられるわけではありません。
この記事では、私自身の経験をふまえながら「子どもがお片付けを好きになる環境づくり」「年齢に合った関わり方」「実際に試してよかった工夫」などをご紹介していきます。
お片付けを「しつけ」ではなく「スキル」として育んでいけたら、親子の毎日がぐっと楽になりますよ。
子どもが「やってみたくなる」片付けの環境づくり
子どもが自然と片付けたくなるような環境って、どんなものでしょうか?
大人の「きれいにしてほしい」という気持ちも大切ですが、まずは子ども目線で考えてみるのがポイントです。
まずは「どこに何があるかわかる」収納を意識
子どもは「定位置」があいまいなままだと、どこにしまえばいいのか迷ってしまいがちです。
「ここに置く」と決まっていれば、迷いが減り、「戻す」という動作が自然と習慣化していきます。
たとえばおもちゃ箱に「ブロック」「ぬいぐるみ」「車」とラベルを貼るだけでも、わかりやすさがアップ!
文字が読めない年齢なら、写真やイラストを使うのもおすすめです。
取り出しやすさ・戻しやすさが成功のカギ
大人の目線で収納を作ると、どうしても高すぎたり重すぎたり…。
子どもが「自分でできる!」と思える工夫があると、片付けへの意欲が格段に上がります。
例えば…
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低めの棚にカゴを並べて見やすくする
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フタのない箱で出し入れしやすくする
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「しまう場所の写真」を貼って視覚的にサポート
こうした小さな工夫の積み重ねが、「やろう」という気持ちにつながります。
収納の高さやラベルに工夫して「自分でできる」を応援
「ママ、これどこにしまうの?」という声が減ってくると、親としても助かりますよね。
子どもの手の届く場所に、本人が理解できる方法で表示しておくと、自立の一歩になります。
我が家では、5歳の息子用に「おもちゃ地図」を作りました。
手書きの簡単なものでしたが、「この地図の通りにしまえばOK!」と息子なりに理解できたようで、今では「自分のルール帳」として楽しんで使っています。
年齢別に見る!お片付けスキルを育むヒント
子どもの年齢や性格に合わせたアプローチも、お片付けの成功には欠かせません。
ここでは年齢別に実践しやすいポイントを紹介します。
未就学児:遊びの延長で「お片付け=楽しい」に
この時期の子どもにとって、お片付けは“お仕事”というより“遊びの一部”。
「片付け=めんどう」という印象を持たせないことが大切です。
我が家では「おもちゃをおうちに帰そう!」と声をかけて、おもちゃに人格を与える遊びをよくしていました。
すると子どもも「車さん、ガレージに帰りたいって!」とノリノリで片付けるように。
時間があるときには「片付けレース」をして、「誰が一番早くしまえるかな?」とゲーム感覚にするのもおすすめです。
小学校低学年:「ルール作り」より「ルーティン化」
少しずつ理解力がついてくるこの時期には、「ルールを守ろう」ではなく「毎日の流れ」に組み込む意識が有効です。
たとえば…
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学校から帰ったら→ランドセルを決まった場所に
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宿題が終わったら→筆箱やノートを元に戻す
というように、「習慣にしてしまう」ことで、声かけの回数もグンと減ります。
注意したいのは、「細かすぎるルール」や「強制的な命令」にならないこと。
子どもにとって“無理なく続けられる”ことが、長続きのコツです。
小学校高学年:「自分で考える」仕組みを取り入れて
高学年になると、少しずつ「自分なりのやり方」に興味を持ち始めます。
このタイミングでおすすめなのが「自分の収納を自分で考える」体験。
「どうすれば探しやすいかな?」「片付けやすい場所ってどこ?」と問いかけて、一緒に考えるプロセスを大事にしましょう。
「子ども部屋の収納を一緒に見直す日」を作るのもおすすめです。
我が家で試してよかった!お片付けアイデア3選
続いて、わが家で実際に効果があった片付けアイデアを3つご紹介します。
アイデア①:「おもちゃ図鑑」で定位置を意識
子どもと一緒に「どんなおもちゃがあるか」を写真に撮って、1冊の「おもちゃ図鑑」にまとめました。
ページごとに「おもちゃの写真」と「しまう場所」がわかるようにして、「図鑑通りに戻そうね」と声かけ。
視覚的に覚えられるので、小さなお子さんにもおすすめです。
アイデア②:週末の「一緒にお片付けタイム」
平日はバタバタしてしまうので、週末の朝に「家族みんなで10分片付け」を実施。
子どもも「一人じゃない」と思えることで、やる気がアップします。
キッチンタイマーで時間を計ると、ゲーム感覚で盛り上がりますよ!
アイデア③:「ごほうびシール」でやる気アップ
片付けたらカレンダーにシールを1枚。
10枚たまったら「好きな遊びを一緒にする日」をプレゼント。
「やらされる」から「やりたくなる」への変化が見られて、親としてもうれしい変化でした。
うまくいかなくても大丈夫。親ができるサポートとは?
片付けがうまくいかない日も、もちろんあります。
でも、それで大丈夫。大切なのは、**「完璧さ」ではなく「継続」**です。
怒ってしまいたくなる時もありますが、そんな時は深呼吸して「どうしたらできるかな?」と一緒に考える姿勢を持てると、お互いに気持ちよく過ごせます。
大人が「一緒に頑張ろうね」というスタンスを持つことで、子どもは安心してトライできます。
まとめ:お片付けスキルは、親子で一緒に育てるもの
子どものお片付けスキルは、一朝一夕で身につくものではありません。
だからこそ、焦らず、寄り添いながら、「一緒に成長していく」気持ちが何よりも大切です。
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楽しく、わかりやすく
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年齢に合わせて無理なく
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できたことをしっかり褒めて
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小さなステップを大切に
お片付けは、ただの「家事」ではなく、子どもにとっての自立への第一歩です。
一緒に工夫しながら、楽しみながら、今日も小さな“できた!”を積み重ねていきましょう。